
採用動画というと、まず思い浮かぶのは会社紹介動画かもしれません。
たしかに、会社の雰囲気や働く人の印象を伝える動画は大切です。ただ、採用活動の実務で考えると、会社紹介だけで候補者理解が十分に進むとは限りません。
応募前に知りたいことと、面接前に確認したいこと、内定後に不安になることは、それぞれ違います。
そこでこの記事では、採用動画は応募前だけで終わらないという前提で、面接前・内定後まで含めた動画活用の考え方を整理します。
採用動画は会社紹介だけで足りるとは限らない
会社紹介動画が向いている役割
会社紹介動画は、企業の雰囲気や考え方、働く人の印象を伝える入口として役立ちます。
特に、まだ会社をよく知らない候補者にとっては、文章や写真だけでは伝わりにくい空気感を補いやすいです。
ただし、会社紹介動画が得意なのは、あくまで入口づくりです。
候補者が知りたい情報は応募段階で変わる
候補者が知りたいことは、採用の段階によって変わります。
| 段階 | 知りたいこと | 動画の役割 |
|---|---|---|
| 応募前 | 会社の雰囲気、事業内容、働く人の印象 | 興味を持つきっかけを作る |
| 面接前 | 仕事内容、1日の流れ、働き方、チームの関係性 | 理解を深めて判断材料を増やす |
| 内定後 | 入社後の流れ、準備、教育体制、ギャップへの不安 | 不安を減らして入社準備を助ける |
このように、候補者の関心は段階ごとに変わるため、動画の役割も同じではありません。
応募前・面接前・内定後で分けて考えたい動画の役割
応募前は「興味」と「理解」の入口を作る
応募前の動画では、まず「この会社をもっと知りたい」と思ってもらうことが大切です。
ここでは、会社紹介、事業内容、働く人の雰囲気などが向いています。
ただし、雰囲気だけでは応募理由になりにくいこともあります。そのため、会社紹介動画でも何をしている会社かが分かる要素は必要です。
面接前は仕事内容や働き方の解像度を上げる
面接前になると、候補者は「自分がここで働けそうか」を考え始めます。
そのため、この段階では次のような内容が役立ちやすいです。
- 職種ごとの仕事内容
- 1日の流れ
- チーム体制
- 働き方の特徴
- 入社後の成長イメージ
ここで必要なのは、雰囲気の良さよりも判断材料の具体性です。
内定後は不安を減らし入社準備を助ける
内定後は、応募前や面接前とは別の不安が出てきます。
たとえば、
- 入社初日はどんな流れなのか
- どんな人と働くのか
- 何を準備すればよいのか
- 教育体制はどうなっているのか
といった不安です。
この段階で動画を使うと、内定後の温度感を保ちやすくする、入社前の不安を整理しやすくする といった役割が期待できます。
採用フェーズ別に動画を分けるときの判断ポイント
どの不安を解消したいか
まず整理したいのは、候補者のどの不安を減らしたいのかです。
応募前の不安と、面接前の不安、内定後の不安は同じではありません。
動画を分けるときは、段階ごとに解消したい不安が何か を先に決めると考えやすくなります。
どの接点で見てもらうか
動画は作るだけでは十分ではありません。
採用ページに置くのか、面接案内メールで送るのか、内定後のフォローで共有するのかによって、役割は変わります。
設置場所が違えば、必要な長さや内容も変わりやすくなります。
誰の負担を減らしたいか
採用動画は候補者向けですが、社内の負担整理にも関わります。
たとえば、
- 毎回同じ説明をする採用担当者
- 面接前に基本説明を繰り返す現場担当者
- 内定後フォローを個別対応している人事担当者
の負担を見直したいなら、どの動画を先に作るべきかが見えやすくなります。
採用動画でありがちな失敗
雰囲気訴求だけで終わる
笑顔の社員やオフィス風景だけでは、第一印象は良くても判断材料としては弱いことがあります。
雰囲気は入口として有効ですが、仕事内容や働き方の理解までつながる情報も必要です。
1本に全部を詰め込む
会社紹介、職種説明、社員紹介、制度説明、内定者向け案内を1本にまとめると、かえって伝わりにくくなります。
採用フェーズごとに分けたほうが、必要な人に必要な情報を届けやすくなります。
設置場所と役割がずれている
採用ページに置く動画と、面接前に送る動画では役割が違います。
入口用の動画をそのまま内定後フォローに使っても、知りたいことに届かないことがあります。
更新されず古いまま残る
仕事内容や体制が変わっているのに動画が古いままだと、かえって不安材料になることがあります。
採用動画は、作る前から更新しやすさも考えておく必要があります。
動画制作を依頼する前に整理しておきたいこと
候補者に何を持ち帰ってほしいか
動画を見た後に、候補者に何を感じてほしいかを決めることが大切です。
- 応募したいと思ってほしいのか
- 仕事内容を理解してほしいのか
- 内定後の不安を減らしたいのか
ここが曖昧だと、動画の役割も曖昧になります。
採用ページ、面接案内、内定後連絡でどう使い分けるか
同じ採用動画でも、置く場所で役割は変わります。
そのため、どのタイミングで、どの動画を見てもらうかまで含めて設計したほうが、活用しやすくなります。
撮影・編集・更新の運用体制
採用動画は一度作って終わりではありません。
職種追加、体制変更、採用方針の変化に合わせて見直すこともあります。
そのため、どこまで外注し、どこから社内で更新するのかも整理しておくと運用しやすくなります。
よくある質問
Q1. 採用動画は会社紹介だけでも問題ありませんか?
問題ではありませんが、それだけで十分とは限りません。応募前の入口としては有効でも、面接前や内定後に必要な情報までは補いきれないことがあります。
Q2. 面接前に動画を送る意味はありますか?
あります。仕事内容や働き方の理解を深める材料になるため、面接時の認識ずれを減らしやすくなります。
Q3. 内定後にも動画は必要ですか?
ケースによりますが、入社前の不安や準備を整理しやすくなるため、活用しやすい場面はあります。
Q4. 採用動画は何本くらい必要ですか?
固定の正解はありません。まずは応募前・面接前・内定後のどこに課題があるかを見て、必要な段階から作るほうが現実的です。
Q5. 採用動画を分けると応募は増えますか?
一律には言えません。ただ、候補者が知りたい情報に合った動画を用意すると、理解の深まりや不安軽減にはつながりやすくなります。
まとめ
採用動画は、応募前だけで完結するものとは限りません。
応募前・面接前・内定後で候補者が知りたいことは変わるため、動画の役割も段階ごとに分けて考えるほうが整理しやすくなります。
特に意識したいのは、次の3点です。
- 会社紹介動画は入口づくりの役割として考えること
- 面接前は仕事内容や働き方の理解を深める材料を残すこと
- 内定後は不安を減らし入社準備を助ける動画活用も検討すること
採用動画を「1本で全部伝えるもの」と考えるより、採用フローの中で役割を分けたほうが、実務でも使いやすくなります。
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