
夏メニュー動画は「湯気」ではなく「涼しさ」を撮る
飲食店の料理動画では、湯気があると温かさやできたて感を伝えやすくなります。しかし、夏メニューの場合は、冷麺、冷製パスタ、かき氷、アイス、冷たいドリンク、サラダ、冷製スープなど、湯気が出ないメニューが中心になることもあります。
湯気がない料理は、動画で見せるのが難しいと感じるかもしれません。ですが、夏メニューには夏メニューならではの見せ方があります。氷、水滴、つや、食感、混ぜる動き、注ぐ動き、すくう動き、涼しげな器、明るい光を組み合わせることで、写真だけでは伝わりにくい魅力を表現できます。
大切なのは、湯気を出すことではなく、視聴者が「冷たそう」「食べたい」「今の季節に合いそう」と感じる情報を映像で見せることです。
この記事では、飲食店向けに、夏メニューを売る“湯気ゼロ”の撮り方を解説します。
湯気ゼロでもおいしそうに見える要素
冷たい料理や夏メニューを動画で見せる場合、温かい料理とは違うポイントを意識する必要があります。湯気がない分、涼しさや食感を別の要素で伝えることが大切です。
水滴・氷・冷気を見せる
冷たいドリンクやかき氷、冷製メニューでは、水滴や氷が重要なシズル要素になります。グラス表面の水滴、氷が動く音、冷えた器、溶け始めた氷、スプーンが入る瞬間などは、涼しさを伝えやすいカットです。
撮影では、料理全体を映すだけでなく、近いカットを入れると効果的です。グラスの表面、氷の角、器の縁、ソースのつや、麺の水分感など、細部を見せることで「冷たさ」が伝わります。
ただし、過度な演出で実際の提供状態と違いすぎる見せ方にならないよう注意しましょう。動画を見て来店した人が、実物とのギャップを感じないことも大切です。
箸上げ・スプーン入れで食感を見せる
冷麺、冷製パスタ、サラダ、デザート、かき氷などは、箸やスプーンを入れる動きが効果的です。麺を持ち上げる、具材を混ぜる、スプーンで崩す、フォークで巻く、クリームをすくうといった動きは、写真では伝わりにくい食感を見せられます。
特に、冷たい麺料理では、麺のつやや具材との絡みが重要です。麺を高く持ち上げすぎるより、器との距離感を残しながら自然に持ち上げると、食べる場面を想像しやすくなります。
スイーツやかき氷では、スプーンが入る瞬間や、ソースが染み込む様子を見せると、食べる直前の期待感が出ます。
ソース・シロップ・ドリンクの動きを見せる
夏メニューでは、注ぐ、かける、混ぜる、炭酸が立つ、氷が揺れるといった動きも映像向きです。冷製パスタのソース、かき氷のシロップ、アイスコーヒーのミルク、レモンを搾る動き、ドリンクを注ぐシーンは、短尺動画の冒頭にも使いやすいカットです。
動きのあるカットを入れると、動画にリズムが生まれます。料理全体の静止カットだけでは伝わりにくい「今作っている感」「できたて感」「飲みたくなる感」を補えます。
飲食店のSNS動画では、最初に動きのあるカットを置くと、スクロール中の視聴者の目に留まりやすくなります。
盛り付け直後の鮮度感を見せる
夏メニューは、時間が経つと見た目が変わりやすいものがあります。氷が溶ける、葉物がしんなりする、麺が乾く、ソースが沈む、ドリンクの泡が消えるなどです。
撮影では、盛り付け直後の状態を撮ることが大切です。厨房で完成した瞬間、皿を置く動き、トッピングを乗せる瞬間、最後にソースをかけるカットなどを撮ると、鮮度感が伝わります。
特に、冷たい料理は「冷えている状態」を見せることが重要です。撮影の順番や段取りを決めておかないと、ベストな状態を逃してしまうことがあります。
夏メニュー別の撮り方
夏メニューといっても、冷たい麺、スイーツ、ドリンク、サラダ、肉料理、海鮮など、見せ方は異なります。メニューごとに、どの要素を主役にするかを決めておくと撮影しやすくなります。
| メニュー | 見せたい要素 | 撮影カット例 |
|---|---|---|
| 冷麺・冷製パスタ | 麺のつや、具材、ソースの絡み | 箸上げ、混ぜる、具材に寄る、器全体 |
| かき氷・アイス | 冷たさ、溶け感、シロップ、食感 | スプーン入れ、シロップがけ、断面、器の寄り |
| 冷たいドリンク | 氷、水滴、炭酸、注ぐ動き | グラスの水滴、注ぐ、混ぜる、飲む直前 |
| サラダ・冷菜 | 彩り、みずみずしさ、野菜の鮮度 | 野菜の寄り、ドレッシングがけ、取り分け |
| 夏の肉料理 | 香ばしさ、ソース、スタミナ感 | 焼き目、カット、ソースがけ、盛り付け |
| 海鮮メニュー | 鮮度、つや、冷たさ、盛り付け | 刺身の寄り、氷や器、箸で持ち上げる |
どのメニューでも、全体カットだけでなく、食べたくなる瞬間を入れることが重要です。視聴者が注文する場面を想像しやすいように、料理の完成形、食べる直前、口に運ぶ前のカットを組み合わせましょう。
SNSで見られやすい構成
夏メニュー動画をSNSで使う場合は、最初の数秒で何のメニューか、どんな魅力があるのかを伝える必要があります。長い導入や店舗外観から始めるより、料理の動きや涼しさが分かるカットから入る方が見られやすくなります。
飲食店の夏メニュー動画では、以下のような構成が使いやすくなります。
- 氷・ソース・箸上げなど動きのあるカットで始める
- 料理全体を見せる
- 具材や食感の寄りカットを入れる
- 食べる直前のカットを見せる
- 季節限定・販売期間・店舗導線を補足する
短尺動画では、料理名や価格、販売期間を入れたくなりますが、情報を詰め込みすぎると見づらくなります。動画内では要点を見せ、詳細は投稿文、メニュー表、予約ページ、公式サイトで補うと運用しやすくなります。
また、音を出さずに見られることもあるため、重要な内容はテロップで補うと分かりやすくなります。ただし、料理の見た目を邪魔しない位置に配置することが大切です。
店頭・Web・広告で使い分ける
夏メニュー動画は、SNSだけでなく、店頭サイネージ、Webサイト、Googleビジネスプロフィール、広告動画などにも活用できます。使う場所によって、動画の役割を変えると効果的です。
| 活用先 | 向いている見せ方 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| Instagram・TikTok | 短く、動きのあるシズル感を見せる | 縦型、冒頭の引き、テロップ |
| YouTubeショート | 作る流れや食べる直前までを見せる | テンポ、料理名、店舗導線 |
| Webサイト | 季節メニューの魅力を丁寧に見せる | メニュー説明、予約導線、写真との併用 |
| 店頭サイネージ | 通行中でも分かるように見せる | 音なしでも伝わる構成、大きな料理カット |
| 広告動画 | 来店理由を短く明確にする | 対象エリア、期間、予約・来店導線 |
| Googleビジネスプロフィール | 検索・マップ経由の検討材料にする | 実際のメニューに近い見せ方、最新情報との整合性 |
同じ夏メニューでも、SNSでは「食べたい」と思わせる瞬間、Webサイトではメニューの内容、広告では来店理由、店頭では注文直前の後押しを意識すると使いやすくなります。
撮影前に準備したいこと
夏メニュー動画は、撮影前の準備で仕上がりが変わります。特に冷たい料理は、撮影中に状態が変わりやすいため、段取りが重要です。
撮影前に準備したい項目は以下の通りです。
- 撮影するメニューを絞る
- 販売期間や提供時間を確認する
- 撮影用と提供用で見た目が変わりすぎないよう確認する
- 盛り付け直後に撮る順番を決める
- 氷、ソース、トッピング、器を事前に準備する
- 店内の明るさや撮影場所を決める
- 厨房・客席・店頭のどこで撮るか整理する
- スタッフやお客様の映り込みを避ける
- BGMや店内ポスターなどの映り込みを確認する
- SNS用・店頭用・広告用など活用先を決める
料理動画では、完成後の状態を長く保てないメニューもあります。撮影の順番を決め、必要なカットを短時間で撮れるようにしておくと、きれいな状態を逃しにくくなります。
飲食店動画で注意したい表現・権利・衛生感
飲食店の動画では、おいしそうに見せることが大切です。しかし、実際の商品と大きく違う見せ方や、誤解を招く表現には注意が必要です。
特に注意したい項目は次の通りです。
- 実際の提供量と大きく違う盛り付けにしない
- 販売していないトッピングや食材を入れない
- 産地、鮮度、限定数、価格を正確に確認する
- 「健康に良い」「疲労回復」などの表現は根拠を確認する
- 店内BGMや流行曲をそのまま動画に入れない
- 他のお客様やスタッフの映り込みに配慮する
- 清潔感のない手元や調理台が映らないようにする
- 実際のメニュー写真や店頭表示と動画の内容を合わせる
料理動画は、視覚的な印象が強いため、少しの違和感が店舗イメージに影響します。手元、調理台、器、背景、テーブルの汚れ、食材の扱いまで確認して撮影しましょう。
また、SNS広告やキャンペーン投稿に使う場合は、価格や期間、限定数、クーポン条件などの情報が最新かどうかも確認が必要です。変更されやすい情報は、動画内に入れすぎず、投稿文や公式ページで管理する方法もあります。
夏メニュー動画で避けたい失敗
冷たさが伝わらない
冷たいメニューなのに、氷、水滴、つや、器、手元の動きが見えないと、夏らしさが伝わりにくくなります。料理全体だけでなく、冷たさを感じる寄りカットを入れましょう。
料理が完成してから撮影準備を始める
冷たい料理やスイーツは、時間が経つと見た目が変わります。料理が完成する前にカメラ、照明、構図、背景を準備しておくことが大切です。
情報を詰め込みすぎる
メニュー名、価格、販売期間、説明、店舗情報をすべて動画内に入れると、スマートフォンでは読みにくくなります。動画では魅力を見せ、詳細は投稿文やメニュー表で補いましょう。
実物より良く見せすぎる
撮影用に盛り付けを整えることはありますが、実際に提供される商品と大きく違う見せ方は避ける必要があります。来店後の期待値と実物の印象が大きくズレないようにしましょう。
よくある質問
湯気が出ない料理でも動画にする意味はありますか?
あります。冷たい料理や夏メニューでは、湯気の代わりに氷、水滴、つや、食感、混ぜる動き、注ぐ動きなどで魅力を伝えられます。写真だけでは伝わりにくい温度感や食べる直前の期待感を補えます。
夏メニュー動画はどのくらいの長さがよいですか?
使う場所によって変わります。SNSでは短く印象的なカットを中心にし、Webサイトや店頭では少し丁寧に見せる方法もあります。目的に合わせて本編版と短尺版を分けると使いやすくなります。
写真だけでも夏メニューのPRはできますか?
できます。ただし、氷が動く、ソースをかける、麺を持ち上げる、ドリンクを注ぐといった動きは動画の方が伝わりやすい場合があります。写真と動画を組み合わせると、メニューの魅力を補いやすくなります。
店内で撮影する場合、何に注意すべきですか?
他のお客様の映り込み、店内BGM、ポスターや装飾、調理台の清潔感、スタッフの動線に注意しましょう。SNSや広告に使う場合は、公開してよい内容か事前に確認しておくことが大切です。
SNS広告にも使える動画にするにはどうすればよいですか?
冒頭で料理の魅力が分かるカットを入れ、料理名や販売期間、来店導線を分かりやすく整理しましょう。縦型動画として使う場合は、重要な料理やテロップが画面端で切れないように構図を考える必要があります。
まとめ
飲食店の夏メニュー動画では、湯気が出ないからこそ、冷たさ、つや、水滴、氷、食感、手元の動き、注ぐ動きなどを意識することが大切です。冷麺、冷製パスタ、かき氷、アイス、冷たいドリンク、サラダなどは、写真だけでは伝わりにくい温度感や食べる直前の期待感を動画で補えます。
夏メニュー動画は、SNS、Webサイト、店頭サイネージ、広告、Googleビジネスプロフィールなど、複数の場所で活用できます。使う場所によって、短尺で印象を残すのか、メニュー内容を丁寧に伝えるのか、来店導線を明確にするのかを分けて考えましょう。
また、料理動画では、実際の提供内容と大きく違う見せ方を避け、価格、販売期間、限定数、素材、BGM、映り込み、衛生感にも注意が必要です。撮影前にメニューの状態、撮影順、活用先を整理しておくことで、夏らしさが伝わる動画を作りやすくなります。
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