
9月の採用広報では社員インタビュー動画が見直しやすい
9月は、採用広報を見直すタイミングとして活用しやすい時期です。夏休みやお盆明けを経て、採用ページの更新、会社説明会の準備、求人情報の見直し、SNS発信の再開を検討する企業もあります。
その中で、求職者に会社の雰囲気を伝えやすいコンテンツが社員インタビュー動画です。求人票や会社概要だけでは分かりにくい仕事内容、職場の空気感、社員の考え方、入社後の成長イメージを動画で見せることができます。
ただし、社員インタビュー動画は、社員に自由に話してもらえばよいというものではありません。求職者が応募前に知りたいことを整理し、質問内容、出演者、撮影場所、編集、掲載先まで設計することが重要です。
9月の採用広報に向けては、社員インタビュー動画を「会社の雰囲気紹介」ではなく「応募前の判断材料」として設計することが大切です。
この記事では、社員インタビュー動画で伝えるべき内容と、採用広報に活かすための実務ポイントを解説します。
社員インタビュー動画の役割
社員インタビュー動画の役割は、求職者に「この会社で働くイメージ」を持ってもらうことです。会社紹介動画が企業全体の事業や理念を伝えるものだとすると、社員インタビュー動画は、実際に働く人の視点から会社を伝える動画です。
求職者は、応募前に以下のような不安を持つことがあります。
- 実際にどのような仕事をするのか
- どのような人が働いているのか
- 職場の雰囲気は自分に合いそうか
- 未経験でも働けるのか
- 入社後にどのように成長できるのか
- 仕事の大変な部分は何か
- 応募前に何を準備すればよいか
社員インタビュー動画は、こうした不安を一つずつ解消する役割を持たせると活用しやすくなります。会社側が伝えたい魅力だけでなく、求職者が知りたい現実的な情報を入れることが大切です。
社員インタビュー動画で伝えるべきこと
社員インタビュー動画では、単に「仕事が楽しい」「職場が明るい」といった印象だけで終わらせないことが重要です。求職者が応募を判断しやすくなるよう、質問内容を整理しておきましょう。
1. 入社理由
入社理由は、求職者が自分と重ねやすい内容です。なぜその会社を選んだのか、入社前にどのような不安があったのか、どのような点に魅力を感じたのかを話してもらうことで、応募前の心理に近い情報を届けられます。
質問例は次の通りです。
- 入社を決めた理由は何ですか?
- 入社前に不安だったことはありますか?
- 他社と比較して印象に残った点はありますか?
- 入社前後で会社の印象は変わりましたか?
入社理由を聞く時は、きれいな答えだけを求めすぎないことが大切です。迷いや不安も含めて話してもらうと、自然で信頼感のあるインタビューになりやすくなります。
2. 現在の仕事内容
採用広報で重要なのは、仕事内容を具体的に伝えることです。会社の理念や雰囲気だけでは、求職者は入社後の働き方を想像しにくい場合があります。
仕事内容を伝える際は、職種名だけでなく、日々の業務、関わる人、使う道具、担当範囲、1日の流れなどを見せると分かりやすくなります。
質問例は次の通りです。
- 現在はどのような仕事を担当していますか?
- 1日の流れを簡単に教えてください。
- 仕事で関わる人や部署はどこですか?
- 入社後、最初に覚えた仕事は何ですか?
- 未経験の人がつまずきやすい点はありますか?
実際の仕事風景を組み合わせると、言葉だけでは伝わりにくい業務イメージを補えます。インタビューと現場カットを組み合わせる編集が効果的です。
3. 仕事のやりがい
仕事のやりがいは、求職者が入社後の前向きなイメージを持つために必要な情報です。ただし、抽象的な表現だけでは伝わりにくいため、具体的な場面を話してもらいましょう。
質問例は次の通りです。
- 仕事でやりがいを感じる瞬間はいつですか?
- 印象に残っている仕事はありますか?
- お客様や社内から感謝された経験はありますか?
- 成長を感じた出来事はありますか?
「やりがいがあります」で終わらせるのではなく、どのような仕事で、誰に関わり、何が嬉しかったのかまで聞くと、求職者に伝わりやすくなります。
4. 大変なこと・乗り越え方
社員インタビュー動画では、良い面だけでなく、大変なことも適度に伝えることが大切です。仕事の難しさをまったく見せない動画は、求職者にとって判断材料が少なくなる場合があります。
大変なことを伝える場合は、不安をあおるのではなく、どのように乗り越えているか、周囲のサポートがあるか、成長につながるかをセットで伝えましょう。
質問例は次の通りです。
- 仕事で大変だと感じることはありますか?
- 入社当初に苦労したことは何ですか?
- 困った時はどのように相談していますか?
- 大変な仕事を乗り越えた経験はありますか?
大変なことを自然に伝えることで、入社後のギャップを減らしやすくなります。採用動画では、魅力と現実のバランスが重要です。
5. 職場の雰囲気
職場の雰囲気は、社員インタビュー動画で伝えやすい要素です。文章では表現しにくい社員同士の距離感、会話の雰囲気、作業中の様子、休憩スペース、チームの空気感を映像で見せられます。
質問例は次の通りです。
- 職場の雰囲気を一言で表すとどのような感じですか?
- 上司や先輩には相談しやすいですか?
- チームで働く場面はありますか?
- 社内で印象に残っているコミュニケーションはありますか?
職場の雰囲気を伝える時は、インタビューだけでなく、打ち合わせ、作業中の手元、現場の移動、スタッフ同士の会話、オフィスや店舗の空間なども撮影しておくと活用しやすくなります。
6. 応募者へのメッセージ
社員インタビュー動画の最後には、応募を考えている人へのメッセージを入れると自然に締められます。会社側からの一方的な採用メッセージではなく、実際に働く社員の言葉として届けることで、求職者が一歩踏み出しやすくなります。
質問例は次の通りです。
- 応募を考えている方へ伝えたいことはありますか?
- どのような人と一緒に働きたいですか?
- 入社前に知っておくとよいことはありますか?
- 迷っている方に一言お願いします。
ここでも、定型的な言葉より、社員本人の自然な言葉を活かすことが大切です。話し慣れていない社員でも、質問設計と撮影環境を整えることで、伝わりやすい言葉を引き出せます。
出演者を選ぶ時のポイント
社員インタビュー動画では、誰に出演してもらうかが重要です。話が上手な人だけを選ぶのではなく、採用したい職種や求職者が知りたい情報に合った社員を選びましょう。
出演者選びで確認したいポイントは次の通りです。
- 募集職種に近い仕事をしているか
- 入社後の働き方を具体的に話せるか
- 求職者と近い目線で話せるか
- 会社の良い面だけでなく実務も伝えられるか
- 出演許可や公開範囲を確認できるか
- 採用ページやSNSで長期的に使用して問題ないか
複数名に出演してもらう場合は、職種、部署、キャリア、働き方が偏りすぎないようにすると、求職者が自分に近い社員を見つけやすくなります。
職種別に変えたい質問内容
社員インタビュー動画では、すべての社員に同じ質問をするより、職種ごとに質問内容を調整すると具体性が高まります。
| 職種 | 聞きたい内容 | 見せたい映像 |
|---|---|---|
| 営業職 | 顧客との関わり方、提案の流れ、やりがい | 打ち合わせ、資料確認、訪問準備 |
| 技術職・製造職 | 作業内容、覚える工程、安全面、成長ステップ | 現場、設備、手元作業、チーム作業 |
| 接客・販売職 | 接客で大切にしていること、客層、店舗の雰囲気 | 店内、商品、接客準備、スタッフの動き |
| 事務・管理部門 | 社内サポート、1日の流れ、他部署との連携 | デスクワーク、打ち合わせ、書類確認 |
| クリエイティブ職 | 制作の流れ、チーム連携、成果物への考え方 | 企画、編集画面、撮影、確認作業 |
| 管理職・リーダー | チームづくり、育成、求める人物像 | ミーティング、指導、現場確認 |
職種ごとに質問を変えることで、求職者が自分の応募職種に近い情報を得やすくなります。採用ページに掲載する場合は、募集職種の近くに該当する社員インタビュー動画を配置すると分かりやすくなります。
採用ページ・SNS・説明会での使い分け
社員インタビュー動画は、1本作って終わりではありません。採用ページ、SNS、YouTube、会社説明会、求人広告など、活用先に合わせて編集を分けることで使いやすくなります。
| 活用先 | 向いている内容 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| 採用ページ | 仕事内容、入社理由、職場の雰囲気を詳しく伝える | 募集要項や応募ボタンの近くに配置する |
| YouTube | 社員インタビュー本編や職種別インタビュー | 概要欄や関連リンクで採用ページへ誘導する |
| Instagram・TikTok | 社員の一言、職場の一場面、短い質問回答 | 縦型、冒頭の分かりやすさ、字幕 |
| 会社説明会 | 説明前の導入や現場理解の補足 | 説明内容と重複しすぎない構成にする |
| 求人広告 | 募集職種に合わせた短尺インタビュー | 仕事内容と応募導線を明確にする |
| 社内広報 | 社員紹介、チーム紹介、採用協力の共有 | 外部公開版との使い分けを確認する |
採用ページでは詳しく伝え、SNSでは興味を持ってもらい、説明会では理解を深めるなど、媒体ごとに役割を変えると活用しやすくなります。
社員インタビュー動画で避けたい失敗
会社が言わせたいことだけを話してもらう
社員の言葉が不自然になると、求職者に伝わりにくくなります。会社側が伝えたい内容は整理しつつ、社員本人の経験や言葉を活かすことが大切です。
良い面だけを並べてしまう
働く魅力を伝えることは重要ですが、良い面だけでは実態が見えにくくなる場合があります。仕事の大変さ、乗り越え方、成長できる点も含めると、応募判断の材料になります。
仕事内容が抽象的すぎる
「やりがいがあります」「雰囲気が良いです」だけでは、求職者は働くイメージを持ちにくくなります。実際の業務、1日の流れ、関わる人、入社後に覚えることを具体的に伝えましょう。
採用ページへの導線が弱い
社員インタビュー動画を見ても、募集職種や応募方法が分からないと行動につながりにくくなります。動画の近くに募集要項、応募ボタン、説明会予約、問い合わせフォームを配置しましょう。
古い情報のまま使い続ける
社員の所属、職種、勤務地、制度、募集内容が変わっている場合、古い動画は現在の採用情報とズレることがあります。9月の採用広報に向けて、既存動画の内容も確認しておきましょう。
撮影前に確認したい権利・表現・社内情報
社員インタビュー動画は、人物が主役になるため、公開前の確認が重要です。採用広報に使う場合は、出演者の許可だけでなく、求人情報との整合性も確認しましょう。
確認したい項目は次の通りです。
- 出演社員の許可範囲
- 退職・異動時の動画利用ルール
- 社外秘資料や顧客情報の映り込み
- オフィスや現場で映してよい範囲
- 店内BGMや社内イベント音楽の扱い
- 給与、待遇、勤務地、勤務時間などの表現
- 求人票や採用ページとの情報のズレ
- SNS広告や求人広告で二次利用できるか
- 字幕やテロップに誤解を招く表現がないか
採用動画では、会社を魅力的に見せることと、実態に近い情報を伝えることのバランスが大切です。公開前に、人事担当者、現場担当者、広報担当者で確認しておきましょう。
動画制作会社に相談する前に整理したいこと
社員インタビュー動画を制作会社に相談する場合は、採用目的と活用先を整理しておくとスムーズです。
相談前に整理したい項目は以下の通りです。
- 採用したい職種
- 採用で伝えたい会社の強み
- 出演候補の社員
- 質問したい内容
- 撮影したい職場や現場
- 採用ページのURL
- SNS用の短尺版が必要か
- 求人広告にも使うか
- 会社説明会で使うか
- 公開希望時期
- 社内確認に関わる担当者
社員インタビュー動画は、撮影して終わりではありません。採用ページ、SNS、説明会、求人広告でどう見せるかを事前に決めることで、採用広報に活かしやすくなります。
よくある質問
社員インタビュー動画は何人くらい撮影するとよいですか?
目的によって変わります。1職種だけを伝えたい場合は1名でも成立しますが、複数職種を募集する場合は、職種や部署ごとに出演者を分けると求職者が判断しやすくなります。
話すのが得意な社員を選ぶべきですか?
話のうまさだけで選ぶ必要はありません。求職者に近い目線で実務を話せる社員や、募集職種に近い働き方をしている社員が向いています。質問設計と撮影環境を整えることで、自然な言葉を引き出しやすくなります。
社員インタビューでは台本を作った方がよいですか?
一字一句の台本より、質問項目と話してほしい方向性を整理する方法が向いています。台本を読み上げる形にすると不自然になりやすいため、自然な会話の中で必要な内容を引き出すことが大切です。
既存の会社紹介動画に社員インタビューを追加できますか?
追加できる場合があります。既存の会社紹介動画に、社員の声や職場の映像を追加することで、採用向けに再編集できることがあります。ただし、古い情報や現在の募集内容とのズレがないか確認が必要です。
SNS用に短尺化する場合、どの部分を切り出すとよいですか?
入社理由、仕事のやりがい、職場の雰囲気、応募者へのメッセージなど、短くても伝わる一言を切り出すと使いやすくなります。SNSでは、冒頭で何の職種・会社の動画か分かるように編集することが大切です。
まとめ
9月の採用広報に向けて、社員インタビュー動画は求職者の応募判断を助ける重要なコンテンツになります。入社理由、仕事内容、やりがい、大変なこと、職場の雰囲気、応募者へのメッセージを整理して伝えることで、会社のリアルな魅力を届けやすくなります。
社員インタビュー動画では、会社が伝えたいことだけでなく、求職者が知りたいことを中心に設計することが大切です。出演者選び、質問内容、撮影場所、採用ページへの配置、SNS用の短尺化まで考えておくと、採用広報に活用しやすくなります。
また、採用動画では、給与や待遇、勤務条件、勤務地、仕事内容などを実態とズレて見せないことも重要です。出演許可、社内情報、BGM、求人情報との整合性を確認し、安心して公開できる状態を整えましょう。
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