
動画マーケティングは再生数だけでは判断しにくい
動画を投稿した後、多くの担当者が最初に見る数字は再生数です。再生数は分かりやすい指標ですが、それだけで動画マーケティングの成果を判断するのは難しい場合があります。
たとえば、再生数が多くても、最後まで見られていない、問い合わせにつながっていない、サービスページへ移動されていない場合があります。一方で、再生数は少なくても、保存や問い合わせ、予約、資料請求につながっている動画もあります。
動画マーケティングでは、動画を見てもらうことだけが目的ではありません。認知を広げたいのか、興味を持ってもらいたいのか、比較検討を進めたいのか、問い合わせや予約につなげたいのかによって、見るべき数字は変わります。
月末に動画施策を見直す時は、再生数だけでなく、視聴後の反応と次の行動をあわせて確認することが大切です。
この記事では、月末に見直したい動画マーケティング指標と、再生数以外に見るべき数字を実務目線で解説します。
月末に見直したい動画マーケティング指標
動画の成果を確認する時は、数字をバラバラに見るのではなく、視聴者の行動の流れに沿って整理すると分かりやすくなります。ここでは、月末に確認したい代表的な指標を紹介します。
1. 再生数・表示回数
再生数は、動画がどれだけ見られたかを確認する基本的な指標です。表示回数は、動画やサムネイルがどれだけユーザーの目に触れたかを考える材料になります。
ただし、再生数が多いからといって、問い合わせや予約につながっているとは限りません。まずは認知の広がりを見る数字として捉え、その後の反応とあわせて確認しましょう。
月末に確認したいポイントは次の通りです。
- どの動画の再生数が多かったか
- どの媒体で多く見られたか
- 投稿直後と数日後で伸び方が違うか
- サムネイルや冒頭の内容に共通点があるか
- 再生数が多い動画から問い合わせ導線へ進んでいるか
2. 視聴維持率・平均視聴時間
視聴維持率は、動画がどのくらい見続けられたかを確認するための指標です。平均視聴時間は、視聴者が動画をどの程度見たかを考える材料になります。
再生数が多くても、冒頭ですぐ離脱されている場合は、内容が伝わる前に見られなくなっている可能性があります。逆に、最後まで見られている動画は、テーマや構成が視聴者の関心に合っている可能性があります。
見直したいポイントは次の通りです。
- 冒頭で離脱が多くないか
- 商品やサービスの説明まで見られているか
- CTAまで到達しているか
- 長すぎる動画になっていないか
- 字幕や構成が分かりやすいか
視聴維持率を見ることで、次の動画で冒頭を変えるべきか、尺を短くすべきか、構成を整理すべきか判断しやすくなります。
3. クリック率・リンククリック
動画を見た後に、プロフィール、Webサイト、予約ページ、商品ページ、採用ページなどへ移動しているかも重要です。再生数が多くても、次のページへ進まれていない場合は、導線が弱い可能性があります。
確認したい数字は次の通りです。
- プロフィールアクセス
- Webサイトクリック
- 商品ページ閲覧
- 予約ページ閲覧
- 採用ページ閲覧
- 広告のクリック率
- 概要欄や投稿文のリンククリック
クリックが少ない場合は、動画の最後に次の行動が示されているか、投稿文やプロフィールにリンクがあるか、動画とリンク先の内容が一致しているかを見直しましょう。
4. 保存・シェア・コメント
SNS動画では、保存、シェア、コメントも重要な反応です。保存される動画は、後で見返したい情報として受け取られている可能性があります。シェアされる動画は、誰かに教えたい内容として評価されている可能性があります。
保存やシェアが起こりやすい動画には、次のような特徴があります。
- 役立つ情報が整理されている
- 行ってみたい店舗や施設が分かる
- 商品やサービスの使い方が分かる
- 比較検討に使える
- 家族や同僚に共有しやすい
- 採用やイベント情報として後で確認したい
コメントは、視聴者の疑問や関心を知る材料になります。よく聞かれる質問があれば、次の動画テーマとして活用できます。
5. 問い合わせ・予約・資料請求
動画マーケティングで最終的に確認したいのは、動画が事業上の行動につながっているかです。問い合わせ、予約、資料請求、購入、来店、LINE追加、採用応募など、事業にとって重要な行動を確認しましょう。
確認したい行動は次の通りです。
- 問い合わせフォーム送信
- 電話タップ
- 予約完了
- 資料請求
- 商品購入
- LINE追加
- 採用応募
- 説明会予約
- 商談予約
再生数が少なくても、問い合わせにつながる動画は価値があります。月末の振り返りでは、動画ごとの再生数だけでなく、どの動画が行動につながったかを確認しましょう。
目的別に見るべき数字は変わる
動画マーケティングでは、目的によって見るべき指標が変わります。すべての動画を同じ数字で評価すると、本来の役割を見誤る場合があります。
| 目的 | 主に見る数字 | 見直しポイント |
|---|---|---|
| 認知を広げたい | 再生数、表示回数、リーチ、シェア | 冒頭で興味を引けているか |
| 興味を深めたい | 視聴維持率、平均視聴時間、保存 | 最後まで見たくなる構成か |
| 比較検討を進めたい | 保存、コメント、プロフィールアクセス、ページ閲覧 | 判断材料が入っているか |
| 来店・予約につなげたい | 予約ページ閲覧、電話タップ、LINE追加、予約数 | 導線が分かりやすいか |
| 問い合わせを増やしたい | 問い合わせ数、資料請求、商談予約、フォーム送信 | 相談前の不安を減らせているか |
| 採用につなげたい | 採用ページ閲覧、応募、説明会予約、保存 | 仕事内容や職場の雰囲気が伝わっているか |
認知目的の動画にすぐ問い合わせを求めすぎると、評価が厳しくなりすぎる場合があります。一方で、問い合わせ目的の動画で再生数だけを見ても、改善点が見えにくくなります。
媒体別・確認したい指標の考え方
動画を投稿・配信する媒体によって、確認できる指標や見方は異なります。月末の振り返りでは、媒体ごとの数字をそのまま比べるのではなく、それぞれの役割に合わせて確認しましょう。
| 媒体 | 確認したい指標 | 改善に活かす視点 |
|---|---|---|
| YouTube | 表示回数、クリック率、視聴維持率、登録者増加、リンククリック | サムネイル、タイトル、冒頭、概要欄導線を見直す |
| Instagram・TikTok | 再生数、保存、シェア、コメント、プロフィールアクセス | 冒頭、字幕、縦型構図、投稿テーマを見直す |
| Webサイト | ページ閲覧、滞在時間、クリック、問い合わせ、予約 | 動画の配置、CTA、フォームまでの導線を見直す |
| 広告動画 | クリック率、クリック単価、コンバージョン、費用対効果 | 対象者、訴求、冒頭、CTA、リンク先を見直す |
| Googleビジネスプロフィール | 閲覧、経路検索、電話、Webサイトへの遷移 | 外観、商品、サービス、店舗情報の見せ方を見直す |
同じ動画でも、SNSでは認知、Webサイトでは問い合わせ、広告では獲得効率を見るなど、媒体ごとに役割を分けると判断しやすくなります。
月末レポートで整理したい項目
動画マーケティングを継続する場合、月末に簡単なレポートを作ると改善しやすくなります。細かすぎるレポートにする必要はありません。次の動画制作に活かせる内容を整理しましょう。
月末レポートに入れたい項目は次の通りです。
- 投稿・配信した動画の本数
- 動画ごとの目的
- 再生数・表示回数
- 視聴維持率・平均視聴時間
- 保存・シェア・コメント
- プロフィールアクセスやリンククリック
- 問い合わせ・予約・資料請求などの行動
- 反応が良かった動画の共通点
- 反応が弱かった動画の改善点
- 次月に試す企画
大切なのは、数字を並べることではなく、次に何を変えるかを決めることです。月末レポートでは、良かった点、悪かった点、次に試すことをセットで整理しましょう。
数字を次の動画制作に活かす方法
動画の指標は、過去の結果を確認するためだけでなく、次の動画制作を改善するために使います。数字を見た後は、企画、撮影、編集、投稿、導線のどこを変えるかを考えましょう。
冒頭の改善に活かす
冒頭で離脱が多い場合は、動画の始まり方を見直します。会社名や雰囲気から始めるより、商品、悩み、結果、利用シーンを先に見せた方が伝わりやすい場合があります。
字幕やテロップの改善に活かす
視聴維持率が低い場合は、字幕やテロップが読みにくい可能性があります。スマートフォンで読める大きさか、1画面の文字量が多すぎないか、重要な言葉が分かりやすいかを確認しましょう。
動画の長さを見直す
途中離脱が多い場合は、動画が長すぎる可能性があります。1本に多くの情報を詰め込まず、テーマごとに分けて短尺化する方法もあります。
投稿テーマを見直す
保存やシェアが多い動画は、視聴者にとって役立つ情報だった可能性があります。反応が良かったテーマは、シリーズ化したり、別角度で再編集したりすると活用しやすくなります。
導線を見直す
再生数や保存はあるのに問い合わせが少ない場合は、導線に課題があるかもしれません。動画の最後、投稿文、プロフィール、Webサイト、問い合わせフォームまでの流れを確認しましょう。
動画指標で避けたい判断ミス
再生数が多い動画だけを成功と考える
再生数は重要な指標ですが、目的によっては問い合わせや予約につながったかの方が重要です。認知目的の動画と獲得目的の動画を分けて判断しましょう。
1本の結果だけで結論を出す
動画の成果は、投稿時間、テーマ、媒体、サムネイル、季節、広告配信の有無などに影響されます。1本だけで判断せず、複数本の傾向を見ることが大切です。
媒体ごとの数字を同じ基準で比べる
YouTube、Instagram、TikTok、Webサイト、広告では、見られ方や指標の意味が異なります。媒体ごとの役割に合わせて判断しましょう。
数字だけ見て内容を見直さない
数字を見るだけでは改善につながりません。どの場面で離脱したのか、どの動画が保存されたのか、どの投稿から問い合わせが来たのかを見て、企画や編集に反映しましょう。
問い合わせ導線を計測していない
動画を見た後の行動が計測できていないと、成果判断が難しくなります。問い合わせ、予約、資料請求、電話タップ、LINE追加など、目的に合う行動を確認できる状態にしておきましょう。
計測前に整えたい導線と設定
動画マーケティングの成果を月末に見直すには、動画公開前から導線と計測を整えておく必要があります。後から数字を見ようとしても、リンクや計測設定が不足していると判断しにくくなります。
整えておきたい項目は次の通りです。
- 動画ごとの目的を決める
- 問い合わせ・予約・購入・応募などの行動を決める
- 投稿文や概要欄にリンクを入れる
- プロフィールやWebサイトの導線を整える
- 動画掲載ページにCTAを置く
- Googleアナリティクスで重要な行動を確認できるようにする
- 広告配信時はキャンペーン目的と成果指標を合わせる
- 月末に比較しやすいように投稿内容を記録する
動画の成果は、動画単体ではなく、投稿文、リンク先、問い合わせフォーム、予約ページまで含めて決まります。計測できる導線を整えてから公開することが重要です。
動画制作会社に相談する前に整理したいこと
動画マーケティングの改善を制作会社に相談する場合は、作りたい動画のイメージだけでなく、現在の数字や課題を共有できると提案が具体的になります。
相談前に整理したい項目は以下の通りです。
- 現在投稿している動画の媒体
- 動画ごとの目的
- 再生数や表示回数
- 視聴維持率や平均視聴時間
- 保存・シェア・コメントの傾向
- Webサイトクリックやプロフィールアクセス
- 問い合わせ・予約・応募などの成果
- 反応が良かった動画
- 反応が弱かった動画
- 次月に強化したい商品・サービス
- 動画制作後の運用や改善まで相談したいか
動画制作では、きれいな映像を作るだけでなく、公開後にどの数字を見て改善するかも重要です。月末の数字を共有することで、次の企画、撮影、編集、広告運用まで相談しやすくなります。
よくある質問
動画の成果は再生数だけ見ればよいですか?
再生数は大切な指標ですが、それだけでは成果を判断しにくい場合があります。視聴維持率、保存、シェア、クリック、問い合わせ、予約、資料請求など、目的に合わせた数字も確認しましょう。
月末には何を見直すべきですか?
動画ごとの目的、再生数、視聴維持率、保存・シェア、リンククリック、問い合わせや予約などを確認しましょう。数字を見たうえで、次月に改善する企画や編集内容を決めることが大切です。
再生数は多いのに問い合わせが少ない場合は何が原因ですか?
動画の内容と問い合わせ導線がつながっていない可能性があります。CTA、投稿文、プロフィール、Webサイト、問い合わせフォームの流れを確認しましょう。また、動画が認知目的に寄りすぎている場合もあります。
再生数が少ない動画は失敗ですか?
目的によります。再生数が少なくても、問い合わせや予約、資料請求につながっている動画は価値があります。認知目的なのか、問い合わせ目的なのかを分けて判断しましょう。
動画の改善はどこから始めるとよいですか?
まずは、冒頭、字幕、動画の長さ、CTA、リンク先を見直すと改善しやすいです。特に、冒頭で離脱が多い場合は、最初に見せるカットやメッセージを変えることを検討しましょう。
まとめ
動画マーケティングを月末に見直す時は、再生数だけでなく、視聴維持率、平均視聴時間、クリック、保存、シェア、コメント、問い合わせ、予約、資料請求などをあわせて確認することが重要です。
見るべき数字は、動画の目的によって変わります。認知を広げたい動画、比較検討を進めたい動画、問い合わせにつなげたい動画では、評価すべき指標が異なります。目的に合った数字を見て、次の企画や編集に活かしましょう。
また、動画の成果は動画単体ではなく、投稿文、プロフィール、Webサイト、予約ページ、問い合わせフォームまで含めた導線で決まります。月末の振り返りでは、動画の内容と行動導線の両方を見直すことが大切です。
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