
動画を作ろうとして、企画はあるのに撮影が進まない。よく見る原因は「台本が書けない」ではなく、言いたいことが整理されていないことです。芯が曖昧なまま撮ると、話が長くなり、尺がブレて、必要なカットが足りず、編集で破綻しやすくなります。
そこで本記事では、サービス紹介・インタビューに使える実務テンプレとして、台本づくりを「3ステップ」に分解して解説します。
1行で芯を決める → 構成(結論先出し/PREP/章)を作る → 絵コンテ/ショットリストに落として撮影を迷わない状態にする。内製でも外注でも、そのまま使える形でまとめます。
台本がないと動画が破綻しやすい理由
失敗の原因は「話の散らかり」「尺のブレ」「撮影素材不足」
台本がない動画は、現場でこうなりがちです。
- 結論が遅く、何の話か分からない
- その場で話が増えて、想定より尺が伸びる
- “つなぐための素材(Bロール)”が足りず編集で詰まる
- 修正で「言うことが変わる」→撮り直しが発生する
台本は、文章の上手さより先に破綻を防ぐ道具です。
台本は“文章”ではなく「編集の設計図」
台本=ナレーション原稿、と誤解されがちですが、実務では違います。台本で決めるべきは次のような“編集が成立する条件”です。
- どこで結論(視聴メリット)を提示するか
- どこで具体例・デモ・事例を見せるか
- どのBロールが必要か
- 最後にどんな行動を促すか(CTA)
結論:台本は3ステップで作る
ステップ1:言いたいことを1行にする(誰に/課題/解決/次の一手)
1行にできないと、撮影で話が増えます。まず芯を固定します。
ステップ2:構成を決める(結論先出し・PREP・章設計)
順番が決まると、尺が安定しやすくなります(案件によりますが、ブレは抑えやすい)。
ステップ3:撮影台本に落とす(絵コンテ/ショットリスト/Bロール)
撮影当日の迷いが減り、撮影漏れや手戻りを抑えやすくなります。
ステップ1:1行の“芯”を作る
4要素テンプレ(誰に・課題・解決・行動)
この4点を1行にします。
テンプレ
「(誰に)___に、(課題)___の問題を、(解決)___で解決できると伝え、(行動)___へ進んでもらう」
例:サービス紹介
「問い合わせが増えない企業に、導線設計と動画活用で“伝わる状態”を作れると伝え、資料請求へつなげる」
例:インタビュー(採用)
「応募を迷う人に、現場のリアルとやりがいを伝え、エントリーへつなげる」
よくある失敗:結論が2つ/ターゲットが広すぎる
- 結論が2つ → 視聴後に何も残らない
- 誰にでも当てはまる → 誰にも刺さらない
まずは1本1メッセージを徹底します。
ステップ2:構成を決める
冒頭は「価値が伝わる形」にする(秒数は固定しない)
“何が得られる動画か”が早い段階で分かるほど、続きを見てもらいやすい傾向があります。ここで重要なのは秒数を固定することではなく、冒頭で迷わせないことです。
PREPを動画に翻訳する
PREP(Point→Reason→Example→Point)は、動画にするとこうなります。
- Point:結論(視聴メリット)
- Reason:理由(短く)
- Example:具体(映像が乗る部分)
- Point:まとめ+CTA
尺別テンプレ(30秒/60秒/2〜3分の目安)
※目安です。媒体・視聴者・内容で調整してください。
【30秒】
- 冒頭:結論(得られる価値)
- 中盤:理由(1つ)
- 後半:具体(例1つ)
- 終わり:次の一手(CTA)
【60秒】
- 冒頭:結論
- 中盤:理由(2つまで)
- 後半:具体(デモ/事例)
- 終わり:まとめ+CTA
【2〜3分】
- 冒頭:結論
- 前半:課題→原因
- 中盤:解決策(流れ/デモ/事例)
- 後半:FAQ(不安を潰す)
- 終わり:まとめ+CTA
CTA設計:最優先を1つ決める(必要なら補助導線)
「CTAは必ず1つ」が絶対ルールではありません。ただ、迷いを減らすために、最優先の行動を1つ決めるのが実務的です。例:
- 最優先:資料請求
- 補助:問い合わせ(小さめ)
このように“主従”を作ると、離脱しにくくなります。
ステップ3:絵コンテ/ショットリストに落とす
絵コンテとストーリーボードの違い
- 絵コンテ:カットの流れ(棒人間でもOK)
- ストーリーボード:画面構成・動きまで含めた詳細設計
まずは絵コンテレベルで十分な場面が多いです。
ショットリストの基本項目(画・音・尺・素材)
最低限、これだけで撮影が回ります。
- カット番号
- 画(誰が/どこで/何を)
- 音(セリフ/ナレ/環境音)
- 尺(目安)
- 必要素材(資料/画面/小道具)
Bロール指示とテロップ文言を先に決める
編集で詰まる最大要因は「挿し込み素材不足」。台本段階で、手元・現場・画面・表情などのBロールを指定し、テロップの見出し文も決めておくと、撮影漏れを減らしやすいです。
インタビュー用:答えが短くなる質問設計
「自由に話してください」は長くなりがち。短尺化しやすい質問にします。
- 結論:一言で言うと?
- 理由:なぜそう思った?
- 具体:エピソードは?
- 学び:これからの人に一言で言うと?
用途別:そのまま使える台本テンプレ
①サービス紹介(BtoB/BtoC共通)
- 結論:誰の何をどう解決
- 課題:現状の困りごと
- 解決:仕組み/流れ(図解 or 画面)
- 根拠:事例/数字(言える範囲)
- FAQ:不安を2つ
- 次の一手:資料請求/問い合わせ/デモ(主従を決める)
②インタビュー(採用/事例/お客様の声)
- 結論:一言要約(見出しになる)
- 具体:現場のエピソード
- 変化:導入後/入社後の変化
- 学び:同じ立場の人へ一言
- 次の一手:詳細ページ/応募/相談
③短尺(SNS)に落とす切り抜き前提の型
- 冒頭:結論(今日の学び)
- 中盤:理由+具体(1つ)
- 終わり:保存/詳細へ(主導線を明確に)
よくある誤解と失敗例
「全部説明すれば伝わる」は逆効果になりやすい
情報を足すほど離脱することもあります。削る基準は「1本1メッセージ」「例は1つ」です。
台本=棒読み原稿ではない
台本は“話す人を縛る”ものではなく、編集を成立させる設計です。話し言葉は自然でOK。重要なのは順番と要点です。
撮影当日の“言い直し地獄”を避けるコツ
- 1文を短くする
- 結論→理由→例の順にする
- 例を1つに絞る
- 取り直しOKの雰囲気を作る
これだけで使える素材が増えやすいです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 台本はセリフを一言一句書くべきですか?
ケースによります。棒読みになりやすい場合は「言うべき要点」と「順番」だけ決め、話し言葉で話してもらう方が自然です。一方、ナレーション中心なら原稿化が有効です。
Q2. 企画書・構成案・台本の違いは何ですか?
企画書は目的と方向性、構成案は順番(章立て)、台本は「画・音・尺・素材」まで含めて編集を成立させる設計図です。現場では、構成案→台本→ショットリストの順で具体化すると迷いが減ります。
Q3. 30秒動画と2〜3分動画で一番変えるべき点は?
伝える情報量より「具体の扱い方」です。短尺は例を1つに絞り、長めは“流れ”や“判断材料(事例/FAQ)”を足します。いずれも冒頭で価値が分かる構成は共通です。
Q4. インタビューが長くなるのを防ぐには?
質問を「結論→理由→具体→学び」に固定し、各回答を短く区切って撮るのが実務的です。答えの最初に“結論を一言”で言ってもらうだけで編集しやすくなります。
Q5. 台本を外注する時、何を渡せばいいですか?
①目的(誰に/何を/次の一手)②言える根拠(事例・数字)③素材(写真/画面/現場)④NG事項(言えないこと)を渡すと、手戻りを抑えやすいです。
まとめ
台本づくりは文章力の勝負ではなく、言いたいことの整理と順番の設計です。
本記事の3ステップ(1行の芯→構成→絵コンテ/ショットリスト)で進めると、撮影で迷いにくくなり、撮影漏れや編集の手戻りを抑えやすくなります。
まずは30秒/60秒の短尺で型を作り、必要に応じて2〜3分へ拡張すると運用しやすいです。
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